「人の一生は藍に始まり、藍に終わる。」
かつて私がNHKに勤務していた山陰で老女に訊いた言葉です。
嫁ぐ娘に油単、夜具、夜着、祝い風呂敷、鏡掛け、提灯袋、傘袋にいたるまで、藍で染めて持たせたそうです。
やがて嫁いだ娘が懐妊したと知らされると、今度は産着、おむつ、子負い帯、湯上げ、足拭きが同じように藍で染められて親元から送られたといいます。
「嫁ごしらえ」「孫ごしらえ」とよばれるこのならわしは、明治の初めから昭和の始め頃まで続いたとのこと。藍は文字通り愛であったと言えるようです。
ここ「飛鳥藍染織館」は、藍染の魅力を多くのかたに知っていただきたいと思い、平成7年4月1日に開館しました。
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