これはもうずいぶん昔の話だが、僕がまだ札幌のNHKで仕事をしていた40年くらい前のことです。
上野池之端の中華レストラン「東天紅」で歌手の楠トシエさんが収集した土鈴のコレクション展が開かれていると、たまたま開いた新聞にのっていたのです。たまたま同じ新聞に明治の画家・青木繁の生誕百年展がブリジストン美術館で開かれていることもありましたので、数日後、ものに憑かれたように上京し、ふたつの展覧会を観てまわりました。
それが不思議なことに、それから20年あまりたって、僕がNHKを辞めて明日香村に藍染の美術館をつくろうと動き出したときに、知り合いに民俗学者であり、土鈴研究家・鈴木正彦先生を紹介され、幸運なことに先生が収集した1万3000点の土鈴をお預かりして「鈴木正彦記念・飛鳥土鈴館」をオープンできました。
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